アーカイブ | 10月 2016

  • 低気温だと流行する感染症とタミフル、アビガンの投与

    気温が低い冬場の時期になると、毎年のように流行する感染症として、インフルエンザがあります。インフルエンザを発症させるウイルスとしては、A型、B型、C型という3つのタイプがあり、なかでも大流行につながるのはA型とB型です。インフルエンザウイルスの感染力はひじょうに強いため、誰かがこのウイルスに感染したまま、せきやくしゃみなどをすると、その飛沫に含まれているウイルスを、まわりにいたほかの人が吸い込んでしまい、そこから感染が拡大してしまいます。 インフルエンザがなぜ冬に流行するのかに注目して、気温や湿度とのかかわりを研究したところでは、実は夏場でもインフルエンザウイルスに感染することはあることから、気温の低さよりもむしろ、湿度が低く乾燥しているという条件のほうが、インフルエンザウイルスを蔓延させやすい原因になっていることがわかっています。 このインフルエンザにかかると、高熱が出たり、のどの粘膜が腫れたり、全身の筋肉が痛くなったりしますので、早めに治療をしておきたいものといえます。そこで、ウイルスに直接効果がある抗インフルエンザ薬がいくつか開発されており、たとえばタミフルやアビガンなどが知られています。 タミフルはインフルエンザウイルスが増殖する際に、体内の細胞内にいったん入り込んで、十分に増殖すると細胞を飛びたすという性質に着目して、細胞から出られなくすることになって、ウイルスが拡散しないようにするというものです。いっぽう、アビガンのほうは、インフルエンザウイルスの増殖にかかわるポリメラーゼとよばれる酵素のはたらきを阻害して、ウイルスが増殖できないようにするものです。 タミフルは発症後48時間までのウイルス増殖の途中で投与することが必要なのにたいして、アビガンにはそのような制約はありませんが、催奇形性が指摘されていますので、妊娠中の女性には通常は投与しません。